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正しい「行方不明」のなり方

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正しい「行方不明」のなり方

夜逃げ、行方不明にもプロがいる

最近は法律も整備され、消費者金融からの過酷な取り立ても減った為、あまり聞かなくなりましたが、ひと昔前は借金を理由に夜逃げや行方不明になってしまう方が大勢いました。

そのためどこの消費者金融でも行方不明となった客の追跡調査は日常茶飯事で、捜索するための様々なノウハウをもっていました。

私の経験では無計画な逃亡であれば7割くらいの確率で居場所を特定することが出来ていたと思います。

しかし中には厳しい追跡をかわして、ついに逃げ切ってしまう「夜逃げのプロ」や「行方不明のプロ」もいます。

それどころか、最初から行方不明になることを前提にしっかり準備をして融資の申し込みをしてくる強者もいます。

今回はそんなプロの手口を、初級編から上級編まで暴露させていただきます。

初級編:住民票は異動させない

まずは超簡単な初級編から説明していきます。

一番簡単に行方不明になる方法は転居の際に「住民票を異動させない」ことです。
たったこれだけでかなりの高確率で逃げ切ることが可能です。

消費者金融は債権保全という名目で簡単に客の住民票を申請することが出来ますので、顧客が行方不明になった場合、まずその顧客の住民票の申請を行います。
住民票を異動させていなければその調査で見つかることはありません。

しかしこの方法にはデメリットがあります。
住民票を異動して住民登録をしないと様々な行政サービスを受けることが出来ず、子供がいる場合、通園通学にも支障をきたす可能性があります。

そのためこの方法を選択した場合、あまり長続きしません。

中級編:居ながらにして行方不明になる方法とは?

初級編にも書きましたが、本当に行方不明になってしまうことは実生活に支障をきたすことが多く、長く行方をくらますことはできません。

このため「夜逃げのプロ」や「行方不明のプロ」は本当に行方不明になったりはしません。
その場で、のうのうと生活しながら行方不明になったことを装って消費者金融の追跡をかわすのです。
具体的には次のような手口です。

郵便物をつきかえす

自宅に届いた督促状を家族から(または家族を装い)、「本人はここに住んでいない」と郵便局につきかえします。
そうすれば消費者金融は十中八九、それを真に受けて、「行方不明」という扱いで督促状は送らなくなります。

但しこの方法は以下のようなデメリットもあります。

・郵便局を騙すことになるので、他の郵便物も届かなくなる可能性がある。
・一人暮らしの人はやりにくい。
・消費者金融が現地調査にきた場合、バレてしまう可能性がある。

家族を装い消費者金融に連絡する

郵便物をつきかえす方法と似ていますが、家族を装って消費者金融に「本人はここに住んでいないので手紙を送ることはやめて欲しい」と申し出る方法もあります。
但し、これも一人暮らしの方にはやりにくい方法ですし、現地調査をされた場合、やはりバレてしまう可能性はあります。

上級編:完全行方不明マニュアル

本格的な「夜逃げのプロ」や「行方不明のプロ」の手口ともなると、思い付きで行動は起こしません。
最初に借入れを起こす時から計画的に綿密な仕掛けをほどこしているのです。
その手口は以下のような方法です。

運転免許証の住所を偽装

一般的に運転免許証は、住所も顔写真も掲載されており、信頼性の高い身分証明書として扱われています。
しかし、実は運転免許証に掲載されている住所は、実はかなり簡単に偽装することが可能なのです。

運転免許証を初めて取得する場合、本籍地記載の「住民票」が必要なので、簡単に住所を偽装することは困難です。
しかし、運転免許証を取得した後に住所変更する時は住民票を提出する必要はありません。

運転免許証の住所変更は「新しい住所に本人宛に届いた郵便物」だけあれば、簡単に変更することが出来るのです。

この程度の郵便物を用意することは、知人の協力があれば簡単にできます。
知人宅の住所に自分宛のハガキを送付すれば簡単に出来ますし、どこか適当なアパートの空き部屋に勝手に表札を付けて、自分でハガキを出すことも可能です。

このようにして、実際に居住したこともなく、住民票とも何の関連性もない住所が記載された「身分証明書」をいとも簡単につくることが出来るのです。

そしてこの偽装住所の運転免許証を使用して消費者金融から借金をしまくります。
住所は偽装といえども運転免許証自体は本物なので、何の疑いもなく借入れすることが出来るはずです。

後に消費者金融が市役所に住民票を申請しても、偽装の住所なので住民票は「該当なし」となり、追跡調査は途絶えてしまします。
ポイントは、

完全につながりを遮断するために、新住所は現在自分が居住している市町村とは別の、縁もゆかりもない住所にすることです

返済を他地域からして攪乱させる

次に実際に融資を受けた後、行方不明になる前にあえて2回ほど返済をします。
ポイントは、

自分が居住している地域とは全く関係のない地域の銀行やATMから返済をすることです。

これは追跡調査を攪乱することが目的なので、遠方であればあるほどベターです。

消費者金融は、どの顧客が「どこの銀行の何支店から振込みがあったか」とか、「どこのATMから入金があったか」などの情報を把握することが出来ます。

例えば関東地域に居住していた顧客が関西地域から連続して入金があれば、関西地方に引っ越ししたと考えるのが自然です。

このような心理を逆手にとって、追跡調査をますます攪乱するのです。

全ての借入れを偽装住所で行う

消費者金融は行方不明の追跡調査として信用情報を定期的に照会しています。
その調査で、過去の他社での登録情報や、新たな登録情報から、本当の住所がバレてしまう可能性もあります。
そのためこの技を仕掛ける場合は、

初めからどの業者の借入れも全て偽装住所で行うことが必要と言えます。

運転免許証の住所を戻す

消費者金融から一通り借りまくった後は、再度、本当に居住している住所に運転免許証を戻しておくことも可能です。
そうすれば、その後、本当に身分証明書として必要な場合、現住所が記載された問題ない身分証明書に戻ります。

行方不明になるメリットはない!?

さて、ここまで行方不明の手口を詳しく解説してきたうえで言うのもなんですが、最近の消費者金融取引では意図的に行方不明になるメリットはなくなってきています。

ひと昔前と違い、強引な取り立てをする業者も減っていることと、ここまで手の込んだことをするよりも、借金問題であれば、弁護士や司法書士に依頼する方が、簡単で手っ取り早いからです。

但し、運転免許証の住所を住民票住所と揃えていない方も多くいるので、意図せずとも偶然、無自覚のまま、運転免許証の記載住所で住民票があがらなくなってしまっている人もたまに見かけました。

いずれにしても善良な皆さんはくれぐれもここで紹介した手口を真似することがないようにお願いしておきます。

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